変わるべき、漫画・アニメ業界の不都合な労働環境

エピローグ

先日こんな記事を見つけた。

経営者の優しさは報われるのか

小林よしのりさんの漫画は好きなんだけど、そういえば、売れっ子の漫画家ってアシスタントを雇う=経営者なんだと思い出した。

でも、よしりんにしては了見の狭いことを言うなぁと感じたので、もう少し調べたらやっぱり違った。

ブログの他の記事や、

よしりん企画内の格差の現実と戦い

仕事場の風景など、

これらを見ると、よしりん先生は従業員思いの、立派な経営者なんだと感じた。

働く人たちの表情がいい。

持続可能性が問われる漫画・アニメ業界

しかし、よしりん先生によると、

今年は新連載を始めるが、それでも月産44枚でスタッフ5名を雇うことになる。
無理があるのは分かり切っている。
漫画家だったら誰でもこれではやっていけないと分かるだろう。

ということで、人件費の問題を抱えているみたいだ。

これらの情報を見聴きしたところ、よしりん先生は、日本型雇用(いわゆる終身雇用・年功序列)を、経営者として守ろうとしているんだと感じた。

ブラックの代名詞とも呼ばれる漫画・アニメの業界で、何十年に渡って、スタッフを雇用し続けているのは、本当に奇跡的とも言えるほど、すごいことだと思う。

しかし、バリバリ現役で作品を作り続けている漫画界の大御所が、人件費についてボヤいているという状況は、看過できないと思う。

もちろん、よしりん先生が個人的にどうという話ではなく、漫画・アニメ業界が全体として持続可能なのかという話だ。

漫画・アニメの現場の労働環境が過酷で、魅力がないものであれば、そこを目差す人たちも減り、質の高い漫画・アニメが作られなくなる可能性がある。

実際、大規模なアニメ映画などでは、人件費を抑えるために、中国人など賃金の安い労働者を、現地でアニメーターとして雇っているという話も聞く。

時代に合った雇用の仕組みが必要

そもそも、漫画家が直接アシスタントを雇用して、給料を支払うという仕組みに無理があるんじゃないかと思う。

だって、漫画家はとても不安定な仕事だ。ヒットが出るかどうか、出してみるまで分からない。良作を作ってもそれが時代に受け入れられるとは限らない。

稼げる時は稼げる、でも稼げない時は全然稼げない、こういうタイプの仕事に、長期雇用とか、退職金とか、そういういわゆる日本企業的な雇用慣行は馴染まない。

じゃあどうすればいいかと言うと、一案としては、人材バンクを作って、人材バンクがアシスタントなどの職人を雇い、各漫画家さんに期間を定めて派遣する、こういう形があると思う。

人材バンクが職人を雇うので、職人は安定的で、長期的な雇用が保証される。クリエーターは、懐に応じて職人を雇うことができる。労務管理の必要もないので、作品づくりに集中できる。

これからも、よしりん先生のような面白い漫画を書いてくれる人が出てきてくれるよう、業界の労働環境が良くなってほしいと思う。